執事
今回お伝えする指標は、一目均衡表になります。
冒険者
一目均衡表ですか?
執事
はい。一目均衡表は、金融鎖国の日本において生まれた世界的にも有名な定番指標になります。
冒険者
日本生まれの指標ですか!なんだから誇らしく感じますね!!
執事
ええ。実際に世界中でも使っている人の多い一目均衡表ですが、一言でその考え方を述べるなら「為替レートの値動きは時間による影響を受けている」というものになります。
冒険者
時間による影響ですか?
執事
はい。チャートは縦軸に為替レートの価格。横軸に時間をとった2次元的なものです。
執事
しかし、横軸の時間は単純に前に進んでいくわけではなく、過去に起こった値動きの支配下にあり、現在の値動きに大きな影響を与えることになります。
冒険者
なるほど。
執事
時間の流れというのは一種の周期性やリズム、起承転結があり、時間と為替変動の関係性を「日柄」という考え方で体系化したものが一目均衡表なのです。
冒険者
そうなんですね。ちなみにですが、他のものとの大きな違いという点は何が違うのでしょうか?
執事
一目均衡表の他の違う点は、為替レートやその平均値を未来や過去にズラして「雲」や「遅行線」といったものを線画し、売買判断の基準にすることができるという点です。
冒険者
「雲」に「遅行線」….他のものとは毛色が違う感じですね。
執事
一目均衡表は、2次元のチャートに過去や未来という3次元的な奥行きをもたせている点から世界で唯一無二のオンリーワンの指標といっても過言ではない日本生まれのテクニカル指標になっています。
冒険者
日本生まれのテクニカル指標であり、未来といった時間的な考えも含んでいるなんて魅力的です!!!是非教えてください!
執事
はやる気持ちも分かりますが、1つずつ説明していくので、きちんと理解して使いこなせるようになりましょう。
冒険者
はい!
一目均衡表の表示される基準線と転換線
執事
まず一目均衡表の仕組みを解説していくとしましょう。
冒険者
はい!宜しくお願いします!!
執事
一目均衡表は他のテクニカル指標と同様に「ある一定の高値と安値の中間値」という平均値に注目したテクニカル指標です。
冒険者
平均値ですか?
執事
はい。例えば「転換線」と呼ばれる値動きに1番に反応する線は、9+9を2で割ったものです。
冒険者
なるほど。本当に中間点を数字として出すテクニカル指標なのですね。
執事
ええ。そして「基準線」と呼ばれる転換線よりも少し遅れて値動きついていくように表示される線に関しては、26+26を2で割ったものです。
冒険者
「転換線」と「基準線」は移動平均線と少しだけ似ていますね。
執事
ええ。基本的に移動平均線と一目均衡表の転換線と基準線は移動平均線と同じと考えて頂いても問題ありませんよ。
冒険者
そうなんですね!確かに見ればみるほど似た動きをしていそうです。
執事
しかし、全く同じというわけではありません。
執事
移動平均線のように各終値全てを足して平均値を求めるのではなく、一定期間の高値と安値の中間値から為替レートの高値と安値の更新がない場合、横ばいで推移することが多いのがその特徴といえます。
執事
逆に言うと転換線や基準線が上がったり下がったりと値動きが変わるというのは為替レートが高値や安値をブレイクした瞬間ともいえます。
執事
そのため転換線や基準線の傾きが為替レートの勢いを極端に表すものとして移動平均線の上下の動きよりも売買シグナルになるのです。
冒険者
なるほど。いくら似ているといってもクセや微妙な動きから売買基準はやはり少し変わってくるんですね!
執事
はい。なので、一目均衡表と移動平均線の特徴やハッキリとわけてうまく使い別けてください。
執事
人によっては一目均衡表の転換線と基準線の2つのラインを消して、代わりに短期と中期の移動平均線を表示させると言う人もいます。
冒険者
なるほど、2つの特性を活かしてミックスしてあげる使い方というのは良いですね!
執事
ええ。ただ一目均衡表と移動平均線全てを表示させるような全て見るというようなやり方は絶対やめましょう。
冒険者
どうしてですか? それぞれの特性を確認できて、いいと思うのですが….
執事
あれもこれもと表示させていては、実際に買いや売りのサインのタイミングに差が出てきてしまい、「ダマしでは?」という疑心暗鬼に陥って思うような取引ができなくなってしまうからです。
一目均衡表1番の武器「先行スパン1と先行スパン2の距離でみる雲」
執事
今の時点で一目均衡表について説明したのは、「転換線」と「基準線」の2つになりますが、今から説明するのは総称して「雲」とも呼ばれる先行スパン1と先行スパン2についてお話したいと思います。
冒険者
雲? 空に浮かんでいるあの雲のことですか?
執事
ええ。ただ、この実際に雲が写っているわけではなく、先行スパン1と先行スパン2の間で出来た差の部分が薄い色覆われていますが、これを雲に似ていることから雲という特別言い方をします。
冒険者
確かに先行スパン1と先行スパン2に間にある空間が少し濃い目の色で塗りつぶされていますね。
執事
はい。一目均衡表を表示させると雲と呼ばれる空間部分は少し濃く表示され、先行スパン1と先行スパン2のの距離を簡単に見ることができます。
冒険者
ちなみに先行スパン1と先行スパン2の距離が開く時というのはどういった時なのでしょうか?距離によって雲の太さも変わっているようですが….
執事
そうですね。まず先行スパン1と先行スパン2の計算方法から説明していきましょう。
執事
先行スパン1は、「転換線+基準線÷2」を当日を含めて26日先に表示させたものです。
執事
そして、先行スパン2は高値と安値の平均値「H(52)+L(52)÷2を当日を含めて26日に表示させたものです。
執事
この2つのラインで囲まれた部分が「雲」になります。
冒険者
なるほど。
執事
この「雲」が示しているのを単純化すると、これまでの価格変動の中心ゾーンということになります。
冒険者
中心ゾーン?
執事
はい。そして、過去の値動きの中心ゾーンである「雲」は、今後為替レートの下落を阻止する支持帯や、 上昇を拒む抵抗帯して機能します。
冒険者
なるほど!トレンドラインや移動平均線と同じような機能し、価格が近づけば反発することもあるんですね!
執事
そして、「雲」の特徴として
- 雲の上限や下限である先行スパン1・先行スパン2は価格の抵抗体や支持体として機能する
- 抵抗体や支持帯として機能する強さや弱さは雲の厚みで判断することが出来る。
- 価格の雲入りは、乱高下の予兆。価格の雲抜けはトレンド発生のシグナル
執事
というような特徴やクセがあります。
冒険者
なるほど!
執事
なにより素晴らしいところは、今後の為替レートがどのように動くのかの道標として使えるのが「一目均衡表の雲」の素晴らしいところです。
冒険者
確かにそうですね!価格の先に表示される2つの線…未来を予知出来る感じでカッコいいです!
執事
勿論、雲にダマシがあるので信用しすぎるのも問題ですが、雲は過去の投資家の平均的な売買価格を表していると考えることもできます。
執事
そして、価格レートが雲の上にあると過去の投資家の損益がプラスになっているということなので、上昇に勢いが付き
雲に入ると損益が曖昧になり乱高下しやすいというわけです。
雲に入ると損益が曖昧になり乱高下しやすいというわけです。
冒険者
雲に対して価格がどの位置にあるかで投資家たちの売買行動や今後の推移の仕方も読みやすくなりますね!
執事
はい。そして、雲割れするとマイナスになるので、下降に勢いがつくといったイメージで考えると、上昇トレンドや下降トレンドの始まりを読むのに役立つと思います。
冒険者
やはり素晴らしいですね!一目均衡表!!
執事
ええ、そこは私も共感致しますが、注意点もあります。
冒険者
なんでしょう?
執事
一目井均衡は期間を26本分先にズラしますが、この期間というのは変更しないようにしてください。
冒険者
うん?なぜですか?
執事
一目均衡表を考えた一目山人は、相場の安値→高値→安値→高値といったN時型やさまざまな波動で動くことが多いという考え方をし、どのような時間軸でその波動が生まれるのかを研究していました。
執事
その過程で「9・17・26・33・42・68・72」といった数字が自然の流れを体現した周期であることを発見しています。その中でも特に「26」は1セットの上下動が起こりやすい一説だと考えられ重要視されているんです。
冒険者
かなり研究されてた方なんですね。
執事
はい。そのため、一目均衡表は他の指標のように設定期間の数値を自分好みに変化させることをあまりオススメしません。
執事
多くの投資家達が9・26・52という設定期間を使っていることもあり、その数値をそのまま使うほうが的中率も上がるように思えます。
5つ目の遅行スパンは高精度。「モメンタム」と同じ役割を持つ最強ライン
執事
最後に説明する一目均衡表の5つ目のラインは、遅行スパンです。
冒険者
遅行スパンですか?名前だけ聞くと遅れて表示されるような線に感じますね。
執事
ええ。その通りです。遅行線は、現在の価格から26本分さかのぼって描画したものです。
執事
つまり、26本前よりも今の価格が高いか低いかを示した単純な線が遅行スパンです。
執事
売買の基準としては
- 遅行スパンが価格を上に抜けたら「買い」
- 下に突き抜けたら「売り」
執事
考え方としては、「現在の為替レート-〇〇本前の為替レート」で算出する「モメンタム」という指標と全く同じになります。
冒険者
なるほど。
執事
また、一目均衡票では「転換線の基準線上抜け」「為替レートの雲抜け」「遅行スパンの日々線上抜け」の3つの条件が揃ったときを三役好転といい、強い買いのサインだと言われています。
冒険者
一目均衡表にも移動平均線のように売買サインがあるんですね。
執事
ええ。逆に売りのサインは三役逆転といい、3つのシグナルが絶好の売買タイミングで重なるのは稀ですので、最初に起こりやすい「遅行スパンの日々線上抜け」と「転換線の基準線上抜け」「雲抜け」のいずれかが揃った荷役好転で早めに仕掛けるのも十分アリです。
冒険者
驚きました!まさか一目均衡表は未来を時間軸で見ることができるだけでなく、パターンや勢いなども線が順番にならんでいるのか確認できるとは…
執事
ええ。それだけ威力も分析方法も豊富である日本生まれる誇れるテクニカル指標です。
執事
今回学んだ一目均衡表を実際に使ってみて、是非値動きの分析をできるようになりましょう。
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