どうも、HAKUMAです。

FXという投資は、レバレッジという仕組みを使うことで資金以上の取引を行うことができます。

これは初心者でも稼ぎやすいというメリットを生みますが、同時に諸刃の剣でもあり、損失を管理する能力が甘ければ少ない資金は全て為替市場の波にのまれてしまうことになりかねません。

場合によっては資金以上の損失が生じることも考えられるため、阻止するための手段としてロスカットと呼ばれる仕組みが導入されています。これは、投資家が資金以上の損失が発生しないための守る制度ではありますが、ロスカットの発生は資金がゼロになることを意味しています。

そこでロスカットしないために重要になってくるのが「証拠金維持率」と呼ばれるものです。

今回の記事では、FXの証拠金維持率について解説しながら、ロスカットが発生しないように資金を守る方法についてお伝えしていきたいと思います。

証拠金維持率とは？

FXでは冒頭でも説明したように、レバレッジを利用することで資金の何十倍もの額で取引が行なえます。つまり、何十倍も稼ぐ速度を挙げられるわけですが、同時に何十倍も早く資金がなくなる可能性も秘めています。

そして、証拠金維持率を語るためには、このレバレッジの理解は欠かせません。

レバレッジを軽く説明すると、例えば100円で10万通貨の取引を行うと考えた場合、100円×10万通貨で1000万もの資金が必要です。しかし、仮にレバレッジを500倍で取引した場合には、500分の1の資金である2万円で取引を行うことが可能です。

このメリット聞けば「レバレッジを多く聞かせて少額で一気に稼ぎたい」と考える人は多いのではないでしょうか？

ただ、レバレッジが500倍なら同時に損失が500倍になることを意味しているため、レバレッジを高くした取引は証拠金以上の損失が発生する可能性が高く、投資家を損失から守るためにロスカットが発動します。

そのロスカットまでの損失額として、口座には一定の金額を入金しておかなければいけません。ロスカットが発生するタイミングがわからなければ、気付いたときには大きな損失を生む可能性も高く、証拠金維持率は、レバレッジを利用する人対して、資金がマイナスにならないために必要な担保額の維持率というわけです。

ロスカットされる基準

証拠金維持率を見ていくことで、ロスカットが発生するタイミングが分かりますが、ロスカットが発動する条件は「純資金÷必要証拠金×100」で算出します。

各証券会社で証拠金維持率が100％や50%などのロスカット発動の条件が異なっているので、確認する必要はあります。ただ、その条件に達した場合には自動的にロスカットが発動する仕組みになっています。

証拠金維持率が高く設定されているFX業者の場合には、早めにロスカットが発動するので、損失を最小限抑えることも可能です。ただ、頻繁にロスカットが発動するということは、その度に資金を再投入する必要がありますし、資金管理が非常に甘いということも指摘できます。

しかし、逆にロスカットが低く設定されているFX業者の場合には、ロスカットが発動するまでに時間の余裕があるので、無駄な損失が発生しなくて済みます。

投資家として避けるべきロスカット発動の瞬間

例えば、レバレッジの低い国内の場合、FX業者に5万円を入金して、1通貨100円で1万通貨をレバレッジ25倍で取引したとします。

必要証拠金は100円×1万通貨÷25＝4万円、証拠金維持率は5万円÷4万円×100で125％です。

仮に通貨が99.5円になったとすると、5,000円の損失が生じることになり、必要証拠金は5,000円の25分の1である200円を引いた3万9,800円になりますが、純資産は5万円から損失の5,000円を引くため、4万5,000円になります。

ここから証拠金維持率を求めると、4万5,000円÷3万9,800円×100＝113.06％と証拠金維持率が低下し、証拠金維持率が100％でロスカットが作動するFX会社の場合には、1通貨が98.9583円に達した時点でロスカットが作動するというわけです。

証拠金維持率でリスクを抑えるための基準とは？

ロスカットの発動で証拠金以上の損失を防ぐことが可能になっていますが、ロスカットが頻繁に発生すると損失が増える一方なので注意する必要があります。

証拠金維持率は、レバレッジの倍率設定を下げることで高めることが可能です。

もちろん、稼ぐための速度を落とすことになるので、FXのメリットを打ち消すことにもなりかねませんが、どのぐらいの設定にすると効果的なのか？

これは投資家のトレードスタイルによって異なりますが、投資家によっては敢えて少ない資金を投入し、高いレバレッジでコマ目に大きな利益を狙いと言う人もいます。

例えば、10万円の資金を1万円で10回に分けるとします。すると、1万円×1000倍のレバレッジでは1000万円の取引が1万円で行えるので、損失が発生すれば一瞬で資金はつきますが、トレンドに上手く乗ることができれば莫大な利益を出すことも可能です。

このように、レバレッジを使って敢えて稼ぐ人もいますが、基本的には証拠金が300％〜1000％を目安に維持することがいいでしょう。

証拠金維持率を減らさないための3つの方法

レバレッジを低くすれば、基本的に証拠金維持率は高くできますが、他にも証拠金維持率を高く維持して資金を守る方法はあります。

その方法としては、以下の3つを意識しましょう。

1. 損切りをしっかりとする
2. 損益管理を徹底する
3. ルールを守る

損切りをしっかりと行う

証拠金維持率は含み損を大きければその分だけ下がりますが、意外と損切りができずにプラマイゼロになるまで待つというひとは少なくありません。

しかし、必ず予測した動きが発生しないように、含み益を抱えている状況ではなるべく早い段階で損切りをできるように事前に「○○pipsの損失が発生したら」と決めておきましょう。

含み益が発生している状況では、相場の判断が適切にできずに売買に影響することも多いので、そのままポジションを保有したままだと変動が生じた際にさらに損失が発生することになります。そのようなことにならないためにも、証拠金維持率が低くなって無駄なロスカットが生じさないように損切りはしっかりと行うようにしましょう。

損失管理を徹底する

FXで取引をしていると、状況に合わせて売買をしている人も少なくなく、気づけば保有ポジションが増えていたり、事前に損失価格を決めていないばかりに気づけば証拠金維持率が低くなっていることも考えられます。

大きなトレンドが発生すると証拠金維持率も合わせて大きく減らすことになりかねませんので、売買金額を落とす、固定額にする、ポジションの保有割合を決める、といった証拠金維持率を高く保つためのルールを事前決めて挑んだほうが良いといえます。

ルールを守る

これは当たり前のことですが、自身で決めた売買のルールを守らずに「利確」や「損切り」ができなければ、ずっと損失が膨らむことになります。

また、一度ルールを破ってしまうと習慣化してしまうこともあるので注意しましょう。

人は一度大きく利益を出したり、損失を出した際の記憶や感情は強く残ってしまうので、気づけばポチポチ病を発症してしまったり、一発逆転を狙ったりと取引における決定的な負け要素を生むことにもなります。

まとめ

証拠金維持率というのは、意外とギリギリまで確認しないという人だったり、そもそも資金残高しか意識していない人も少なくありません。しかし、そういった場合には大きな為替変動が発生した際には非常にロスカット発動の可能性が高くなるので注意しましょう。

証拠金維持率が高いことで損失を抑えることはできますが、無駄なロスカットが生じる取引自体を控えることが肝心です。また、証拠金維持率が低いことでロスカットは生じにくくなりますが、発生した際の損失が大きくなるので、これは自分の性格も含めてトレードスタイルを見つめ直す必要があるかもしれません。

レバレッジというメリットを活かすために欠かせない証拠金維持率は、意識しておくことでレバレッジのデメリットを軽減することにも役立つので、ぜひFX会社やトレードスタイル、取引行動を見つめ直してFXで運用していきましょう。