HAKUMA

テクニカル分析において使われていないということが少ない移動平均ですが、今回は移動平均線から派生した「MACD」と呼ばれるテクニカル指標を紹介していこうと思います。

そうですね…。例えばですが、相場を予測するときに1年前と昨日の情報だとどちらが役に立つと思いますか。

その通りです。MACDは、平均を取る期間の違う2つの移動平均を用いた指標。

つまり、簡単に言ってしまえば「現在の値動きに価値を優先し、情報が古くなればなるほど情報の価値が減少していく移動平均線」といえます。

一言で言ってしまえば、「相場の周期とタイミングを捉える指標」だということです。

MACDは、ダマシが少ないため使いやすく、バイナリーオプションにおいては中長期の取引に適しています。

よく分かりましたね。

MACDはダマシが少ないため順張りでの効果が強く、また2本のラインで表示されるため売買タイミングも明確に判断することができます。

バイナリーオプションやFXにおいても、信憑性の高い分析データを表してくれる心強い見方です。

ある意味、移動平均線の上位互換とも言えるかもしれませんね。

確かにその通りかもしれませんね。

それでは、MACDについての基本的な使い方を説明していきましょう。

MACDがダマシが少なく、人気な理由は移動平均線の弱点を補う側面があるからです。

はい。移動平均線の弱点を覚えていますか？

しっかりと復習をしてください。

いいですか、移動平均線の弱点として、トレンドに乗るのが得意な反面、トレンド発生を補足するのに売買サインを待っていると遅れてしまうという弱点があります。

その弱点を克服されるために色々な移動平均線も開発されていますが、最も早くサインが出る「指数平滑移動平均線(EMA)」と呼ばれるものをMACDでは使っているため、弱点を補うことができるのです。

MACDの計算式は「短期EMA ー 長期EMA」と簡単であり、この2本の指数平滑移動平均線の差がMACDというわけです。

上記の画像は、実際に短期（赤）と長期（青）の指数平滑移動平均線とMACDを表示させてものです。

MACDの値はサブチャートに表示されている緑色のバーになりますが、短期と長期の指数平滑移動平均との乖離部分（隙間）が分かりやすくいうとMACDの求めている値になります。

そして次ですが、チャート上に表示してある2つEMAがクロスしているところは、MACDの緑バーもゼロになっているのが見て分かると思います。

ここは短期と長期のEMAの乖離がまったくなく、クロスする状態です。

つまり「ゴールデンクロス」または「デットクロス」と同じ売買サインだと言うことも読み取ることができます。

このままMACDのゼロラインとのクロスを見るだけでは、移動平均線（EMA）の分析と変わりません。

MACDで取引の参考にするためには、赤いラインに注目する必要があります。

はい。これは単純移動平均線（SMA）です。

このラインを使って分析し、MACDが加速するタイミングを取られるイメージになります。

加速するタイミングを捉え得ることができれば、ゼロラインがクロスするのを事前に把握できますよね。

つまりそれは、ゴールデンクロスやデットクロスより前にトレンド発生のサインを見つけることができるということです。

加速のサインは、MACDの緑バーとSMAである赤のラインがクロスしている箇所です。

分析対象はMACDになっていますが、1本の移動平均線を使った分析と同じことです。

MACDの魅力に気づいて頂けたようで何よりです。

そして、画像の緑バーゼロラインに到達する前にクロスしており、相場の流れを掴めているのが分かると思います。

これがMACDの最大の特徴ともいえますが、バイナリーオプションにおいて移動平均線のダマシよりも早く売買サインが出現するため、一時的な反発でも十分に効果的な勝率を出すことができます。

ただ、トレンドの方向が分かるからこそ、クロスするたびに使うのではなく、トレンド方向に順張りとして使うことをオススメします。

MACDに限った話ではありませんが、注意点があります。

MACDのパラーメータは3つありますが、設定をいじったり、相場に応じて変更するなどはしてはいけません。

基本的に最もメジャーとされているのが、「12・26・9」という組み合わせなのですが、標準的なものを含めて効果的なものを予め設定されています。

にも関わらず、一時的な相場の動きに合わせて設定を自分なりにイジるなど、最も駄目な初心者にある例であり、蛇足です。

投資に限った話ではなく、自分なりで考えるのは失敗に結びつきますのでご注意ください。

そして、さらに素晴らしいことにMACDにはオシレーター系としても使うことができます。

ええ、オシレーター系としての基本的な見方は、MACDがゼロラインよりも上に入れば上昇トレンド中と考える。

逆にゼロラインよりも下にいれば下降トレンド中だと考えることができます。

このときに、オシレーター系のようにゼロラインから大きく離れれば離れるほど、勢いは強いと判断できます。

ということは、トレンドはいずれ終わりますので、ゼロラインから離れすぎたMACDはいずれはゼロラインに戻ってくることが分かりますね？

ええ、トレンドの際にはトレンドフォロー系、レンジの時にはオシレーター系として使う。

これがMACDの真骨頂です。

はい。それほどまでに精度も高く、多種多様に使えるために人気なのです。

ぜひこのMACDを使って順張り、逆張りを含めてバイナリーオプションに役立てることができるようにしてください。